「2回表」はまだ続く。ラモン・ウリアスが2点タイムリーツーベース、ジェームズ・マキャンも1点適時打。先発投手のビューラーは、今季何度も見てきたように崩れてしまうかと思われた。
しかし、ビューラーは立ち直ってリズムを取り戻し、今季ベストの内容にまとめた。初球ストライク率は普段より良く(打者23人中13人)、2ストライクを取った後のカウントでは1安打1四球しか許さなかった。4回と3分の2を投げてさらに1点を失ったが、それもフルカウントでハーフスイングを取ってもらえなかった直後、オハーンにタイムリーツーベースを浴びるという不運の結果だった。
「(良いところを)しばらく見ていなかったからね」ロバーツはビューラーを評した。
「リセットして、自分を立て直し、以前の投球を取り戻すために、今日のパフォーマンスは彼の自信のためにも私たちのためにも大きかった。これをきっかけに着実に復調してくれることを期待しているよ」
ドジャース・ビューラー投手「久々に前向きな気分に」
2022年に2回目のトミー・ジョン手術を受けてからの復帰となる今年、ビューラーの防御率は5.88と、まださえない数字だ。今シーズン、11回の先発登板のうち5回を投げ切ったのはわずか3度。かつてローテーションのエースを務め、オールスターにも選出された姿からはほど遠い。
しかし90球以上を投げ、4奪三振と今季ベストとなる12回の空振りを記録した水曜日は、少なくとも期待が持てる内容だった。4イニングを0点に抑えた中継ぎ陣の活躍もあり、大谷の偉大な夜を勝利に結びつけることができた。
「2021年以来、久々に前向きな気分になっているよ」ビューラーは語った。「自分に何かを言い聞かせたり、うまくいくよう祈ったりする必要がなかった。それよりも、マウンドで脚を上げれば球を投げられる、そんな気持ちになれたんだ。(中略)今夜寝るときにはある程度自分を取り戻していると思う。それは僕にとって大きいことなんだ」
【続編】『大谷翔平は“アジア人差別”の壁を壊した…「オオタニ以前・以後」で変わった日本人のイメージ』では、大谷が日本やアジアに与えた影響を、“差別”という視点から解説する。
GINA FERAZZI / ロサンゼルス・タイムズ『OHTANI`S JOURNEY』