新庄監督は今季スローガン「大航海は続く」を発表後、上沢への思いをとうとうと語った=8日、千葉県鎌ケ谷市
日本ハム・新庄剛志監督(52)が8日、昨オフに米大リーグに送り出した上沢直之投手(30)がわずか1年で撤退し、古巣に戻らずソフトバンクと契約したことに初言及。「すごく悲しいし、一緒にやりたかった」と心境を語った。常に前向きで滅多に批判めいた発言をしない指揮官が、「育て方が違ったのかな」とまで厳しく指弾。海外で苦闘中にも連絡を取り合っていながら、ライバル球団への移籍に際して何ら連絡もなかった不義理な右腕に対し、敵意むき出しに「打ち崩す!」と打倒を宣言した。 (山戸英州)
不義理右腕連絡なし
この日、千葉県鎌ケ谷市内の球団施設で行われたスタッフ会議に出席後、取材に応じた新庄監督は上沢のソフトバンク入りについて水を向けられると、静かな口調に怒りをにじませながら思いを吐露した。
「アメリカに行ってるときもやり取りはしていた。彼がああいう決断をして、育て方がちょっと違ったのかなあ」
ポスティング決定後に行われたファン感謝イベントで、上沢の肩を抱く新庄監督=2023年11月、エスコンフィールド北海道
エース格だった右腕は2023年シーズン終了後、米球界移籍を目指したポスティングシステムの利用を球団に認められ、複数球団との交渉の末にレイズとマイナー契約。契約金と年俸を合わせても3700万円程度だったため、日本ハムに入る譲渡金は92万円にとどまったが、指揮官ら球団あげての熱いエールで送り出された。
しかし、春季キャンプでは結果が残せず、開幕までのメジャー昇格を逃すと、レッドソックスに金銭トレード。慣れない中継ぎ起用や調整法が合わず、ケガにも見舞われてメジャーでの登板は2試合に終わった。シーズン終了後にフリーエージェント(FA)になると日本球界復帰を決断。復帰を促す日本ハムのオファーを断わり、ライバル球団に移籍した。