ウインターカップ2024、男子決勝の福岡大学附属大濠vs鳥取城北は、地力で勝る大濠が77-57で勝利し、3年ぶり4回目の優勝を勝ち取った。 鳥取城北の留学生、ハロルド・アズカに対して渡邉伶音がインサイドで上回ることで、試合開始からの2分半で大濠が8-0とリードする。それでも鳥取城北はすぐに落ち着きを取り戻して反撃開始。持ち前のハードワークを発揮し、アズカを軸としながらも他の選手も積極的に得点を奪うことで、第2クォーター中盤で逆転に成功した。 それでも、ここからは再び大濠の時間帯に。その流れを作り出したのは、スクリーンを巧みに使ってマークを引きはがした一瞬の隙を逃さずクイックリリースの3ポイントシュートを2本連続で決めた湧川裕斗だった。その直後には髙田将吾がスティールからのワンマン速攻に持ち込み、ここから大濠は一気に2桁へとリードを広げて前半を終えると、鳥取城北の攻守のプレー強度に負けずに渡り合った第3クォーターを21-9のビッグクォーターとして、早々に試合に決着をつけた。 優勝を決めた湧川は、喜びの笑顔と涙が混じり合う表情でここまでの道のりを振り返る。「今年は本当に悔しい思いをしてから始まった年で、キャプテンとしてもなかなか上手くいかず苦労したんですけど、最後こうやって日本一になれて、ここまで頑張ってきて良かったとうれしい気持ちです」 1年前のこの日、ウインターカップ決勝で同じ福岡県のライバルである福岡第一に53-63で敗れている。2年生だった湧川は先発を任されていたが7得点と不発に終わっていた。それから自分たちの代を迎え、エースだけでなくキャプテンの責任も背負いチームを引っ張ってきた。インターハイのベスト4、U18日清食品トップリーグでの優勝など様々な経験をしてきたが、結局のところすべてはこのウインターカップで優勝できるかどうかに懸かっていた。
「インターハイぐらいから3ポイントシュートだけじゃなく、ピックからのジャンプシュートやレイアップで点が取れるようになって、そこは成長だと思います」
今日の湧川は34分のプレーで32得点。3ポイントシュートだけでなくフェイクで相手の裏を突いてのレイアップ、ドライブで果敢に切り込んでファウルを誘ってのフリースローなど、多彩なプレーで得点を積み上げた。それは、この1年間での努力の成果だった。 「去年まではただ3ポイントシュートを打つだけの選手で、ディナイされたら何もできなかったのですが、今年からプレーメークも任せてもらって、そこでよりバスケを理解してズレを作っていくためにNBAやBリーグを見て知識を増やして、スキルをつけていくことをずっとやってきました」 特に参考にしたのはNBAウォリアーズの試合だ。「いろんな戦術がある中で相手がどう動いたらどうプレーするかの選択肢を、ウォリアーズを見て学びんで知識がついてきました。オフェンスはウォリアーズ、ディフェンスはティンバーウルブズを見ていました」と湧川は説明する。 「インターハイぐらいから3ポイントシュートだけじゃなく、ピックからのジャンプシュートやレイアップで点が取れるようになって、そこは成長だと思います」。まさにその通りのプレーが決勝の舞台で出せた結果の32得点だった。 これで湧川の高校バスケは終わり。次のステージに向けて、自分の成長するイメージはすでに出来上がっている。「3ポイントシュートという武器が自分の中では一番強いので、そこは持ち続けて、3ポイントシュートのフェイクからドライブする、アシストするという、もっとフィジカルも状況判断も鍛えて、さらにプレーの幅を広げたいです」
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************