スズキの決算説明会で記者の質問に答える鈴木修会長(当時)=東京都千代田区(宮川浩和撮影)
スズキを世界的な自動車メーカーに育て上げた元会長で相談役の鈴木修氏が94歳で死去した。鈴木氏は、地元・浜松市の行財政改革にも大きく関わった。同市が政令指定都市に移行した際には、世界を相手にしてきた経営者らしく、「グローバルスタンダード」を取り入れるよう主張し、「小さく筋肉質な政令指定都市」を目指すように訴えた。
政令市移行前の平成17年、市長の諮問機関として設置された行財政改革推進審議会の会長に就任した。会長職を2期4年間務め、12市町村が合併した後の行財政改革に携わった。
初回の冒頭で「(審議会の)会場もなるべく安い施設を使いたい。他の会合でホテルを使っているようだが、ホテルは高い。商工会議所の会議室は格安の料金で使用できる」とあいさつするほどの徹底ぶりだった。
同年12月にとりまとめた緊急提言では「既存の政令指定都市の形だけをまねしてみようと、無理な背伸びやムダな脂肪で大きく見せるのではない」とし「将来まで生き残ることができる浜松らしい質実剛健な政令指定都市、言い換えれば『小さく筋肉質な政令指定都市』を目指すべき」と結論づけた。審議会の提言は、たびたび「グローバルスタンダード」という文言が盛り込まれ、世界を相手にする民間企業の経営者らしい視点が垣間見えた。
翌18年3月には、7区制でスタートする政令市について「人口や経済、産業、環境の変化を見据えたうえで5年後には合区を前提に見直すこと」を提言。提言から18年が経過した今年1月、浜松市は3区制に移行している。(高木克聡)
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